おそらくは祈念ではなく希求

5月に父の衣類を整理した折
肌着やTシャツの類は比較的(心情的に)手放しやすかったのですが

これだけは… とたたみ直して箪笥に戻したのは
近年、愛用していたTシャツ



父自らコスタリカで買ってきたもの


常備軍を廃止し、軍備予算を社会福祉に充てるなど
平和国家・環境立国として独自の存在感を放つコスタリカ共和国に
父はとても関心を持っていました

親戚が駐在していた折に、旅慣れた友人たちを伴って
夫婦そろってはるばる中米まで訪ねることができたのは
(父にはそれが最後の海外旅行となりましたが
とても印象深く、よい思い出となったようでした




その姿勢を支持していた父のことに触れましたが

花森氏が平和への思いを仕事の基本姿勢として言明し、
見える形で世に示してきたように

父もまた戦前戦後を生きることになったひとりとして
祈り「願う」だけでなく、求めて「行動」することを
してきたひとだったと思います




父の「NO ARMY」のTシャツは色違いで2枚あったのですが
だいぶヨレていた白は手放して、ネイビーだけを残しました

白は夏の普段着、ネイビーはとっておきの時に
(場違いなどと思うことなくむしろここぞとばかりに)
着ていた気がします

それは父が平和を希求し続けていた姿だったのだと
改めて思い返します




新盆と
72年の不戦の日々に寄せて